理系の若者が思ったことを書くブログです。
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
円周率とは直径と円の周の比です。すなわち円周率をπ、直径をd、円周をLとして
L/d = π …(1)
となるようなπの値が円周率です。このようなπを中学では3とおしえてた時代もありますけど、この数値は3.141592…程度です。
これはなぜでしょうか。そこで直径1の円に対して、円の中に内接する正六角形の周の長さP(6)と円の外に外接する正六角形Q(6)を考えてみよう。この場合いうまでもなくd = 1なので
P(6) < L = πd < Q(6)
P(6) < π < Q(6) …(2)
という式が導けます。ここで、
P(6) = 0.5×6 = 3
Q(6) = 0.5*2/√3*6 = 6*√3/3 = 2√3
となるので、すなわち、
3 < π < 2√3 = 3.46 …(3)
が成り立ちます。円周率πは3より大きく3.46より小さい値であることが示されました。
円周率が3ということは、円ではなくて正六角形の周長にすぎないのです。
さて、当然内接および外接する正n角形のnが増大するほど、円周率計算の精度はあがります。
そこで、正n角系に拡張して考えてみましょう。
今、直径1の円に内接するn角形の周長をP(n),外接するn角形をQ(n)とすると
P(n) < π < Q(n) …(4)
が成り立ちます。三角関数で一般化すると、
P(n) = n*sin(180/n) …(5)
Q(n) = n*tan(180/n) …(6)
であり、したがって、
P(2n) = 2n * sin(180/2n) …(7)
Q(2n) = 2n * tan(180/2n) …(8)
とあらわせます。この(5)~(8)式が満たすべき漸化式を考えてみよう。
180/n = 2θとしてP(n) + Q(n)を計算すると、
P(n) + Q(n) = 2n*sin(180/n)*(1 + 1/(cos(180/n))
P(n) + Q(n) = 2n*sin(2θ)*(cos(2θ)+1)/cos(2θ)
P(n) + Q(n) = 8n*sin(θ)*cos(θ)*cos^2(θ)/cos(2θ)
P(n) + Q(n) = 8n*sin(θ)*cos^3(θ)/cos(2θ)…(9)
のようになります。さらに、P(n)*Q(n)を計算すると、
P(n)*Q(n) = 4n^2 * sin(180/n)*tan(180/n) = 4n^2 * sin^2(2θ)/cos(2θ)
P(n)*Q(n) = 4n^2 * sin^2(2θ)/cos(2θ) = 8n^2 * sin^2(θ)cos^2(θ)/cos(2θ)…(10)
のようになります。これらを用いて、次のような計算をすると、(8)、(9)、(10)より
(P(n)+Q(n))/{P(n)*Q(n)} = (2/(2n))*(cos(θ)/sin(θ)) = (2/(2n*tan(180/2n)) = 2/Q(2n)
1/Q(2n) = 0.5{1/P(n) + 1/Q(n)}
⇔Q(2n) = 2*(P(n)*Q(n))/(P(n)+Q(n))(11)
が導けます。次に1/{Q(2n)*P(n)}を計算してみましょう。すると(7)を考えると
1/{Q(2n)*P(n)} = 1/{2n*tan(180/2n)} *1/ {n*sin(180/n)}
1/{Q(2n)*P(n)} = {cos(180/2n)}/{2n*sin(180/2n)} *1/ {2n*sin(180/2n)*cos(180/2n)}
1/{Q(2n)*P(n)} = 1/{2n*sin(180/2n)} ^2 = 1/{P(2n)}^2
1/P(2n) = √{1/(Q(2n)*P(n))}⇔P(2n) =√{Q(2n)*P(n)} …(12)
が導けます。これらの漸化式を解析できれば円周率を導くことができるでしょう。
余談ですが、アルキメデスはP(96)およびQ(96)を計算して紀元前のころ
正確な円周率の計算に成功しています。
アルキメデスの方法を利用するなら、
P(96)<π<Q(96)
を解析する必要があります。これはなかなか大変です。手計算でも計算できますが、次回の日記ではExcelのプログラミングで円周率の計算を行ってみたいですね。ご期待ください。
L/d = π …(1)
となるようなπの値が円周率です。このようなπを中学では3とおしえてた時代もありますけど、この数値は3.141592…程度です。
これはなぜでしょうか。そこで直径1の円に対して、円の中に内接する正六角形の周の長さP(6)と円の外に外接する正六角形Q(6)を考えてみよう。この場合いうまでもなくd = 1なので
P(6) < L = πd < Q(6)
P(6) < π < Q(6) …(2)
という式が導けます。ここで、
P(6) = 0.5×6 = 3
Q(6) = 0.5*2/√3*6 = 6*√3/3 = 2√3
となるので、すなわち、
3 < π < 2√3 = 3.46 …(3)
が成り立ちます。円周率πは3より大きく3.46より小さい値であることが示されました。
円周率が3ということは、円ではなくて正六角形の周長にすぎないのです。
さて、当然内接および外接する正n角形のnが増大するほど、円周率計算の精度はあがります。
そこで、正n角系に拡張して考えてみましょう。
今、直径1の円に内接するn角形の周長をP(n),外接するn角形をQ(n)とすると
P(n) < π < Q(n) …(4)
が成り立ちます。三角関数で一般化すると、
P(n) = n*sin(180/n) …(5)
Q(n) = n*tan(180/n) …(6)
であり、したがって、
P(2n) = 2n * sin(180/2n) …(7)
Q(2n) = 2n * tan(180/2n) …(8)
とあらわせます。この(5)~(8)式が満たすべき漸化式を考えてみよう。
180/n = 2θとしてP(n) + Q(n)を計算すると、
P(n) + Q(n) = 2n*sin(180/n)*(1 + 1/(cos(180/n))
P(n) + Q(n) = 2n*sin(2θ)*(cos(2θ)+1)/cos(2θ)
P(n) + Q(n) = 8n*sin(θ)*cos(θ)*cos^2(θ)/cos(2θ)
P(n) + Q(n) = 8n*sin(θ)*cos^3(θ)/cos(2θ)…(9)
のようになります。さらに、P(n)*Q(n)を計算すると、
P(n)*Q(n) = 4n^2 * sin(180/n)*tan(180/n) = 4n^2 * sin^2(2θ)/cos(2θ)
P(n)*Q(n) = 4n^2 * sin^2(2θ)/cos(2θ) = 8n^2 * sin^2(θ)cos^2(θ)/cos(2θ)…(10)
のようになります。これらを用いて、次のような計算をすると、(8)、(9)、(10)より
(P(n)+Q(n))/{P(n)*Q(n)} = (2/(2n))*(cos(θ)/sin(θ)) = (2/(2n*tan(180/2n)) = 2/Q(2n)
1/Q(2n) = 0.5{1/P(n) + 1/Q(n)}
⇔Q(2n) = 2*(P(n)*Q(n))/(P(n)+Q(n))(11)
が導けます。次に1/{Q(2n)*P(n)}を計算してみましょう。すると(7)を考えると
1/{Q(2n)*P(n)} = 1/{2n*tan(180/2n)} *1/ {n*sin(180/n)}
1/{Q(2n)*P(n)} = {cos(180/2n)}/{2n*sin(180/2n)} *1/ {2n*sin(180/2n)*cos(180/2n)}
1/{Q(2n)*P(n)} = 1/{2n*sin(180/2n)} ^2 = 1/{P(2n)}^2
1/P(2n) = √{1/(Q(2n)*P(n))}⇔P(2n) =√{Q(2n)*P(n)} …(12)
が導けます。これらの漸化式を解析できれば円周率を導くことができるでしょう。
余談ですが、アルキメデスはP(96)およびQ(96)を計算して紀元前のころ
正確な円周率の計算に成功しています。
アルキメデスの方法を利用するなら、
P(96)<π<Q(96)
を解析する必要があります。これはなかなか大変です。手計算でも計算できますが、次回の日記ではExcelのプログラミングで円周率の計算を行ってみたいですね。ご期待ください。
PR
Comment