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■新しいセシウムの吸着剤だそうです。アイディアが面白くて、
実用化したら社会貢献性も高いと思い、わくわくしながら読ませていただきました。
こういう技術を自ら生み出す楽しみこそ理系の醍醐味だと思いますね。
日本の素晴らしい技術に触れて、多くの方が理科数学に興味をもって
いただけることを願っております。

<放射能除染>人工ゼオライトで吸着の新手法、愛媛大開発
毎日新聞 7月13日(金)7時39分配信


拡大写真
磁力を帯びた人工ゼオライトを示す愛媛大農学部の逸見教授=愛媛県庁で2012年7月12日、津島史人撮影

 愛媛大学農学部の逸見彰男教授(65)=環境産業応用化学=の研究グループは12日、放射性セシウムを吸着する人工ゼオライトを開発し、福島県南相馬市などで実証実験を始めたと発表した。福島第1原発事故による放射能汚染地域の除染に有効といい、2年以内の実用化を目指している。

 人工ゼオライトは、石炭火力発電所から生じる石炭灰から生成。消臭剤や水の浄化に利用されてきた。ゼオライトは放射性セシウムを吸着する働きがあり、逸見教授らは昨秋、人工ゼオライトを生成する際に鉄化合物をまぜて磁気を帯びさせることに成功。この人工ゼオライトをまいた放射能汚染土壌を磁石を使って仕分け、除染された土壌と、セシウムを吸着したゼオライトとに分けることを可能にした。

 1キロ当たり数千~1万ベクレルの汚染土壌を同500ベクレル以下に、農作物では同20ベクレル以下に下げられると見込んでいる。国が定める農作物を含め、一般食品の基準は同100ベクレル以下。

 表皮土壌を除去する従来の方法は、肥よくな土壌が失われるリスクがあったが、新手法では除染した土壌を元に戻すことができ、除染が進まない海洋や山林での応用も期待できるという。逸見教授は「石炭火力の副生成物を利用することで、電力会社による除染物質の生成という自己完結が可能になる」と話している。【津島史人】
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個数N、半減期Tの放射性物質があると仮定する。この物質のBqを計算すると、Bqの定義より次式が成立する。

|dN/dt| = λN = {N0*Log(2)/T}*(1/2)^(t/T)…(1)

またf(T) = 1/T,
g(T) = (1/2)^(t/T),
F(T) = N0*Log(2)*f(T)*g(T)とすると、
(1)式は次のようになる。

|dN/dt| = F(T) = N0*Log(2)*f(T)*g(T) …(2)

F(T)が増加関数か減少関数か確定できればBqの半減期T依存性が見れる。
この場合、G(T) = f(T)*g(T)を満たす関数Gにおける導関数の正負を論ずればよい。
そこで、微分のチェーンルールより、

dG(T)/dT = f(T)*dg/dT + g(T)*df(T)/dT …(3)

が成り立つ。したがって、(4)式を項ごとに計算すると次式の通りである。

g(T)*df(T)/dT= -g(T)/T^2 …(4)
f(T)*dg(T)/dT = (1/T)*{Log(1/2)}*{(1/2)^(t/T)}*(-t/T^2)
f(T)*dg(T)/dT = (0.69314*t/T^3)*{(1/2)^(t/T)}
f(T)*dg(T)/dT = 0.69314/T^3*g(T) …(5)

(4)、(5)式から…

dG(T)/dT = g(T)/T^2*{0.69314*t/T - 1}

を導くことができる。この式も放射能の性質を論じるうえでかなり重要である。
次回は、半減期ごとに放射能の強さを予測しよう。それではまた。

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これまでの日記を踏まえたうえで演習問題を2つ用意します。

(1)ヨウ素131が現在XBqあるときに、30日後のBq値Yを計算せよ。ヨウ素131の半減期は8日とする。

(2)セシウム137の半減期は30.2年である。セシウム137が1Bq検出されたとき、
この瞬間におけるセシウム137の重量を求めよ。


皆さま答えがわかりますか?

解説:
(1) 核崩壊方程式の解を考えると、初期のヨウ素量をN0として
30日後のヨウ素131量Nは、次式のようになる。
N = N0*(1/2)^(30/8) ≒ 0.0743*N0…(a)

また、X,Yの満たすべき式はBqの定義より、
X = |dN/dt| = λN0 …(b)
Y = |dN/dt| = 0.0743λN0 = 0.0743X …(c)

となる。この(c)式を見てわかるように…
30日で放射性ヨウ素131は元の量の7.4%程度まで減少することが確認できる。
(2)前回の日記より、1Bqの重量の公式を用いればよい。
W = (M/(λNA)) = MT/(Log(2)NA) = 2.397*10^-24*MT
W = 2.397*10^-24*137*(24*365*3600*30.2) = 3.13× 10^-13

つまり、0.313 ナノグラム程の重量が1Bqのセシウムといえるでしょう。

1Bqの放射性物質がものすごく小さいということを理解できれば幸いです。
それではまた。

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問題:原子量M(g/mol)、半減期T(sec)の物質がt = 0 で1Bqだとする。この放射性物質の質量W(g)を計算せよ。(ただし、物質の総数をN0、アボガドロ数をNA、とする。)

解答:N個の放射性物質のもつBqは、前回の日記(ベクレルの厳密な意味)より
|dN/dt| = λN    …(1) 
と書き表すことができる。したがって、核崩壊方程式の解((核崩壊方程式を解こう。参考)を代入すると、
|dN/dt| = λ(N0*(1/2)^(t/T))  …(2)
となる。初期条件より、t = 0のとき、1Bqなので
|dN/dt| = λ*N0 = 1   …(3)
と書き表すことが可能である。一方、原子量の定義より
W = (N0/NA)*M   …(4) 
は自明である。したがって、(3)を(4)に代入すると
W = (M/(λNA)) = MT/(Log(2)NA) = 2.397*10^-24*MT…(5)

のように式変形できる。この(5)式こそが、
放射性物質のBqと重量を換算するための理論式だといえる。
※Tを秒ではなく、時間で考えると↓のサイトの式になる。
(5)に3600をかけると↓のサイトの式とも一致しているので、(5)式は正しいだろう

http://radi-info.com/q-1111/

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前回の日記(核崩壊方程式を解こう。)では放射性物質が放射線を出して減少していく挙動を一般化しました。

今回は、Bqとは何かについて解説します。結論から申し上げましょう。

単位時間に1個の放射性物質が核壊変したら1Bqです。

つまり、1秒間に何個放射性物質が減ったかを表す量がBqなのです。

よって、N個の放射性物質のもつベクレルの値は、|dN/dt| と一致します。

この量をみてわかるように、あくまで放射線がでる勢いしか表していないのです。

放射線の場合、種類や距離によって浴びた場合のリスクは異なりますので、

生物影響を必ずしも反映しない量だといえます。

また、この事実をしると、1Bqの放射性セシウムがどの程度の重さかわかるでしょう。

次回の記事では、代表的な放射性物質の重さを計算しようと思います。

それではまた…

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